春の居酒屋は、サラリーマンたちの宴会で盛り上がっていた。新入社員と思われる、やたら元気な若い顔もちらほら見える。
歓迎会か。景気のいいことだ。新入社員なんて、ここ数年うちの会社にはきていない。ていうか5年前の俺が最後で後輩が居ない。
やってらんないな、中小企業。
俺は、カウンター席の隣に座る不景気そうな上司に目をやる。この部長、いいおっさんではあるのだが、酒が入ると愚痴っぽくて仕方がない。散々ひとりで毒を吐き尽くして、もう日本酒手酌モードに入ってやがる。これは記憶が飛んでる証拠だ。
「ちと、トイレいってきますね」
上司は、軽く首を回した。この騒音で、伝わってるのかわらない。でも構わない。このまま去っても問題ないことは知っている。このひと、隣に誰かいようといまいと、ちゃんと終電前に会計して自動的に家族の待っている家まで帰る、帰巣本能の強いひとなのだ。記憶飛んでるくせに。ちなみに、ちゃんとレシートを持ち帰ってるので、翌日ワリカン精算になる。
世の中には、不思議なひともいるもんだ。
まあいいか。トイレトイレ。
忙しそうな店員にトイレの場所を訊いて、廊下の角を曲がる。
「お?」
俺は立ち止まった。パリッとしたスーツを着た若い女の子が、壁に寄りかかっていたのだ。こちらをちらりと見て、さっと顔を逸らした。黒髪のポニーテイルが揺れる。
新入社員かな。初々しいな。
突き当たりの左右には、トイレのドアがあった。右は女性用で、左が男性用。
「女子トイレ、満員なの? だいじょうぶ?」
酔いのせいか、俺は気安く声をかけた。
続きを読む → あなたは20歳以上ですか? はい いいえ
tag : セックスレイプおしっこOL中出し